会長挨拶
第47回日本臨床栄養学会総会 会長


このたび、第47回日本臨床栄養学会総会のお世話をさせていただくこととなりました。第45回日本臨床栄養協会総会会長の北海道文教大学人間科学部健康栄養学科教授の田中弘之先生とともに、2025年10月25日(土)、26日(日)の両日に鹿児島市の城山ホテル鹿児島にて第23回大連合大会を開催させていただきます。
今回の学会テーマを『肥満とやせの栄養学』とさせていただきました。私の専門とする糖尿病学の分野では、近年、肥満を伴う2型糖尿病とサルコペニアやフレイルが問題となるやせを伴う高齢者糖尿病が大きな問題となっています。新しく登場した糖尿病治療薬は血糖降下作用のみならず、体重にも影響する作用を持ち、臨床の現場で盛んに使われるようになり、ますます肥満とやせの問題に注目が集まっています。このことは、糖尿病臨床の分野に決して限定することではなく子供から成人、高齢者まで肥満の問題は社会の大きな健康に関する課題であり、また、若い女性を中心とした過度なやせ、そして高齢化社会が進む中でのやせに伴うサルコペニアやフレイルの問題はますます重要な社会問題となっています。本学会には、臨床現場で活躍しておられる栄養士のみならず、医師や薬剤師、看護師、研究者など様々な職種が集まります。その中でいま一度、基本に立ち返って栄養学の立場から、肥満ややせの問題を共有すること、そしてその対策を臨床栄養学の観点から討議することは極めて意義深いと考えます。ぜひ、活発なご討議をお願いしたいと思います。
本学会が開かれる時期は南九州の鹿児島においては大変過ごしやすい季節になります。魅力あふれる鹿児島の景観を美味しい食事や焼酎とともに楽しんでいただき、種々の個性豊かな温泉でくつろいでいただければ幸いに存じます。皆様の多数のご参加と活発なご討議をスタッフ一同心からお待ちしております。
第46回⽇本臨床栄養協会総会 会⻑


第46回日本臨床栄養協会総会は、第47回日本臨床栄養学会総会(会長:西尾善彦先生)と合同の第23回大連合大会を2025年10月25日(土)~26日(日)の2日間に鹿児島市の城山ホテル鹿児島で開催させていただきます。
このたび、日本臨床栄養協会総会会長を拝命し、鹿児島大学糖尿病・内分泌内科学 教授 西尾善彦先生と共に努めさせていただけることは、その重責に身の引き締まる思いです。
本大会のテーマは、「肥満とやせの栄養学」とさせていただきました。
肥満は世界中で増加傾向にあり、特に先進国や都市部にとどまらず、深刻な問題となっています。肥満は糖尿病、高血圧、心疾患、脂肪肝、さらには一部のがんのリスクを高めることが知られています。一方で、やせも特に若年層や高齢者において問題視されています。若年層では、社会的な美意識や痩せ信仰によって過度なダイエットが行われ、不適切な食事制限が行われがちです。また、高齢者におけるサルコペニアやフレイルは、生活の質の低下を引き起こします。現在の生活習慣や多様な要因が絡み合い、両者が健康に大きな影響を及ぼしていることが明らかであり、より複雑になっています。これまでにも取り上げて参りましたテーマですが、改善に向けて取り組むべき課題は尽きません。
学術講演をはじめ、シンポジウム、発表ならびに交流の機会など、多彩なプログラムを準備し、皆様の活発なご意見やご質問が、より深い学びと発展へとつながることを願っております。また、北海道と鹿児島の地域特性から、「食」をはじめとする魅力ある様々な体験を楽しまれることを踏まえて、たくさんの皆様方の参加を心よりお待ち申し上げます。